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Q:「SPF豚はたしか無菌豚と呼ばれていましたけれど」 |
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A: SPF豚は無菌豚ではありません。まったく無菌の豚は特殊な装置の中でしか飼育することはできません。SPF豚は自然環境下で飼育されているので、一般細菌は保持しています。清潔な環境で飼育されるSPF豚の腸内に棲息する細菌の多くは善玉菌で、悪玉菌が少ないのが特徴で、豚が健康に育っている証しです。したがって、SPF豚は「無菌豚」ではなく「健康豚」の代名詞であるといえます。SPFの適切な日本語訳が見つからないのと、一部のマスコミで「SPF」と「無菌」を混同して報道したのが誤解を生みました。5.「SPFとは何の略ですか?」も参照してください。 |
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Q:「SPF豚肉は生で食べられるのでしょうか?」 |
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A: 豚肉を生で食べることにどのような意味があるのでしょうか。いくら清潔な環境のSPF豚農場で飼育された豚の肉であっても、生で食べるべきではありません。古来、「豚肉は良く加熱しないと危ない」といわれてきましたが、昨今問題視されているE型肝炎などの感染から身を守るためには、SPF豚肉といえども加熱調理は必要です。SPF豚肉を安心して美味しく食べるためには加熱し過ぎに注意しつつ、正しく調理することが肝要です。SPF豚肉の芳醇な風味をお楽しみ下さい。 |
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Q:「 SPF豚はまったく薬を使わないのですか?」 |
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A: 日頃健康な人でもたまにはお腹をこわしたり、風邪を引いたりしますよね。同じようにSPF豚がいくら健康であっても、まれに病気かかることがないとはいえません。 |
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Q:「SPF豚はすべて帝王切開で生産されるのですか」 |
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A: SPF豚のはじまりはプライマリーSPF豚と呼ばれるものです。子豚が生まれるとき、いろいろな病原体に汚染されるのを防ぐために、帝王切開手術が行なわれ母豚と赤ちゃん子豚は完全に隔離されて生まれます。生まれた子豚は微生物学的に隔離された人工哺育施設で3〜4週間飼育したあと、SPF豚農場の清潔な普通の豚舎に移されます。SPF豚農場では病原体がほとんど存在しないので、帝王切開の必要はありません。したがって、一部の原々種豚農場を除いて、豚の繁殖は自然分娩によって行なわれます。 |
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Q:「SPFとは何の略ですか?」 |
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A:
Specific Pathogen Free「特定の病原体をもっていない」という意味の学術用語です。 |
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Q:「SPF豚という品種がいるのですか?」 |
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A: SPF豚は豚の健康状態をあらわす用語で品種ではありません。SPF豚の基準で定めた病気にかかってしまえば、その瞬間からSPF豚ではなくなります。 現在では、ランドレース・大ヨークシャー・デュロックの3品種の雑種が一般的です。バークシャー(黒豚)や一部中国の豚が用いられる場合があります。 |
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Q:「SPF豚は発育が良いと聞きますが」 |
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A: 改良された現在の豚は、通常半年で体重110Kg程度まで成長します。しかし残念ながら多くの豚には慢性の病気が蔓延し、発育の遅れおおくみられます。SPFは病気のない良い環境で育てるので、その豚が本来もっている発育能力を100%発揮します。 | |
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Q:「SPF豚肉は臭さがないと聞きましたが」 |
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A: わが国の養豚において、一般の豚に多くの疾病が蔓延しているのは残念なことです。 詳しくはこちらも⇒SPF豚肉の特性 |
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Q:「SPF豚はどんな所で飼育されるのですか? 研究施設のようなイメージがありますが。」 | |
A: SPF豚はより衛生的で無理のない、より自然な環境での飼育を目指しています。豚を病気から守るために、防疫体制は厳重になってはいますが、一般的な普通の豚舎で飼育されています。 | |
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Q:「SPF豚の屠畜や精肉は特別な所で行われているのですか?」 | |
A: SPF豚専用の食肉処理場もありますが、通常は一般の屠場に出荷されています。ただその日の一番目に屠殺するなど他の豚と区別しているケースも多くなっています。 | |
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Q:「国産の豚肉のうち、SPF豚はどのくらいの割合ですか?」 |
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A: 国産の豚肉のうち、SPF豚認定農場産は10%強、農場数は4%強と推定されます。(H28年3月現在) |
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Q:「海外でもSPF豚は生産されているのですか?」 |
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A: SPF養豚はアメリカではじまり、ヨーロッパで取りあげられたのは日本よりかなりはやかったのですが、現在では、アメリカ、ヨーロッパとも種豚生産部門で実施されいるのみです。ただ、デンマークのみはSPFの言葉は使っていないものの、各農場で行っている管理システムはSPF養豚そのものであり、豚生産農場に導入される種豚の90%以上がSPF豚であるといわれています。 |
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Q:「SPF豚肉は軟らかくてジューシーだといわれていますが?」 |
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A: 確かにそのとおりです。SPF豚は健康に発育するので、筋肉の細胞膜がしっかりしていて、細胞内の水分が外に彦み出すのを防いでいると考えられます。その結果、肉の保水性にすぐれ、肉汁をたっぷり含んでいるため、柔らかくジューシーな肉となったのでしょう。また、同じ理由から、調理したあとさめても硬くならないのだろうと思われます。 |
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最終更新日 : 2016/8/24